神様の贈りもの

プロフィール写真

1964年生まれ。内科医・作家
東京下町出身。東京女子医科大学卒業後、大学病院、総合病院を経て下町の医師の道を選ぶ。
1996年、週刊朝日「デキゴトロジー」にて執筆活動を開始。
2005年には、医学生時代からの半生を綴った自叙伝的エッセイ『女医の花道!』を出版してベストセラーになる。
通常の診療のほか、北アルプス夏山診療ボランティア、愛犬とのCAPP活動(アニマルセラピー)ボランティアに携わる。最新刊は「ヒトは医学で恋してる!」(文芸社) Fenceinboston(集英社)の「S-Joy ~ 素敵女医」のひとり。

幸せになりたい~!

でも、幸せってなに?

 

そんな永遠のテーマを医学から考えていこうと思います。

 

 

実は私たちの脳には、たくさんの幸せのホルモンがあって、

それを発揮させるスイッチもあるのです。

それらを上手に生み出せれば、誰でも幸せになれるもの。

そう、幸せは他人が運んでくるものではないのです。

そのスイッチの在りかさえ知れば、ほら、幸せはすぐそばに…。

自分なりのスイッチを探して今日から幸せになりましょう!

 

 

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 南仏の小さな村 リルシュルラソルグの水路を泳ぐカモたち
水面をのんびり漂う姿に癒される

 

 

「ひとは日に何度か、ひとの作ったもの以外のものを見て過ごす時間をつくるべきである」

 

 

これは私の尊敬する、養老孟司先生の言葉です。うろ覚えなので文言はちょっと違うかもしれないけれど……ニュアンスは合っていると思います。

 

意味はこういうこと。

人間は文明社会のなかで暮らすうちに、自分たちの創造した物質に囲まれて過ごす時間が圧倒的に増えました。すると、知らず知らず己が自然の一部だということを忘れがちになるものです。

 

本当は木や花や鳥や虫と同じように、自然の生き物のひとつにすぎない存在なのにね。でも、そんなことを意識するひとは、あまりいないでしょう。

 

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 我が家のこけ玉 スイレンモク
朝気づくと新しい花が咲いていた

 

誰かが造ったものにだけ囲まれて過ごすのは、便利な反面ちょっとした怖さもはらんでいます。

 

たとえば携帯電話が壊れたとき、ひとはすぐに「これってもとから不良品だったんじゃないの?メーカーにクレームを入れようかしら?」と考える。

 

また、たとえば自転車走行中、パーツのトラブルでケガをした。もしくは事故を起こして誰かにケガをさせてしまった。こんなときでもやはり「自転車の問題だよね、製造元に責任があるんじゃない?」という発想になります。

 

 

そう、我々は誰かが造ったものに囲まれて生きているうちに、何かにつけて誰かに責任を求める癖がついてしまっているわけね。

最近のテレビの謝罪会見や「説明責任」というキーワードを聞くたびに、私はそう感じてしまうのです。

 

こうした思考があたりまえになってしまうと、そのうち「天気が悪いのも誰かのせい」「地震や竜巻が起きたのも誰かのせい」と、自然現象に対しても犯人捜しを始めるようになる。これはとても怖いことだと思うんですよ。

 

世の中には、自分たちの手の及ばない出来事がいくつもあります。それを認識しておくことはとても大切なことですし、むしろ最初から「手が及ばない」と捉えていたほうが、心も軽くなるような気がするのです。要らぬ争いも避けることができるでしょう。

 

そして私は、これこそが幸せへの小さくて大きな一歩だと思っています。

 

だから養老先生は言うのです。日に何回かは自然のものに目を向けなさい。人間の作ったもの以外を見て、己の力ではどうすることもできない大きな自然の存在を意識する時間が大事だと。ひとも自然の一部ですよと。

 

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 フランス プロヴァンスのローマ遺跡から芽吹く野生の花
力強さには学ぶところが多い

 

 

私は父親が亡くなった時から、夜に星を見上げるようになりました。そして今では、朝は太陽、昼間は小さな草花に目をやるのが習慣になっています。そうしたものを眺めていると、不思議と飽きずに何時間でもいられます。

 

あ、それから我が家の犬たち、彼らも私に自然の力を感じさせてくれる、とても大切な存在であることは言うまでもありません。

その小さな体は神様が私にくれた、大きな大きなおくりもの、のように思えてくるのです。

 

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 我が家の愛犬 ロックとエンカ
生き物と暮らすのも、また教わる事が多いものです。

 

 

写真/おおたわ史絵

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