2019/02/07
掌蹠膿疱症は手のひらや足の裏に水疱が出来ることから始まります。鈴木さんは初めに足の裏、10年以上経ってから手のひらに発症していますが、手だけ、足だけに症状が出る人もいるなど個人差があるのだそう。
「その症状も軽いままだったり、どんどん悪化する場合もあったりと個人差があります。また、夏だけ悪化、年に何回か悪化という人もいますし、自然に治る人もいれば、10年以上続く人もいるのです」
人にうつらない皮膚疾患には乾癬もありますが、こちらは欧米でも患者が多いため、臨床研究も盛んで薬もたくさんあるのだとか。それに比べて、研究が遅れているのが掌蹠膿疱症なのです。
研究が遅れているけれど、掌蹠膿疱症の患者は日本国内に13万人いると言われ、上のグラフ※にあるように50代前後の女性が患者数のピークなのだそうです。Fenceinboston編集部員も1人、過去にり患しています。51歳の頃、忙しくて寝不足が続いたときに症状が出て、2年近く足の裏の水疱や膿疱に悩まされたとか。幸い治って、今はすっかり落ち着いたそうです。※PPP=掌蹠膿疱症(pustulosis palmaris et plantaris)
水虫と勘違いしそうですが、皮膚科で顕微鏡やダーモスコピー(特殊な拡大鏡)などでチェックすれば掌蹠膿疱症は無菌なのですぐにわかるとのこと。
「肉眼では見えなくても、ダーモスコピーを使えば皮膚を取らなくても水疱の中にある膿疱が確認できます。また、10人のうち3人くらいの割合で骨関節症状を伴うことがあるのも大きな特徴。前胸部痛を訴える患者さんが多いんです」
ここ、大事なので太字にします!
その場合は掌蹠膿疱症である可能性が高いそう。放っておくと、関節への悪影響も悪化するのでぜひ皮膚科医での診察をおすすめします。
鈴木さんのお話からもわかるように、手のひらは常に人から見られる部位であり、足の裏は歩行時に痛みを伴うこともあることから、掌蹠膿疱症は生活の質にも大きく影響します。
「手のひらに膿疱が出来たことで、寿司職人や美容師であった患者さんが職替えするしかない状況になってしまったことがあります。また、足の裏は50〜60層くらいと皮膚が厚いため、一度炎症を起こすとひび割れしやすくなってしまうのです」
過去の編集部員のように比較的軽い症状なら生活習慣を見直すなどの対症療法や外用薬で対応出来ますが、鈴木さんのように重い症状になってしまったら…。実は昨年11月に、ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンファーマが開発した生物学的製剤で日本初の掌蹠膿疱症治療薬が承認されたそうです。
照井先生も、中等〜重症患者にとって保険適応となるこの治療薬は福音になるはず、と語ります。
掌蹠膿疱症の患者は中高年層の女性の方が多いとのこと。気になるブツブツ、そして関節痛があったら、自己判断しないで早めに専門医に相談してくださいね。
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